タケハタのブログ

プログラマの生き方、働き方、技術について雑多に書いていくブログです。

2023年に読んで良かった本3選

2023年も終わりになりますが、最近読んだ本の書評とかを全然書いてなかったなーとなりました。
なので今年読んだ本の中で良かったものを3つピックアップして、簡単にですがまとめようと思います。

本の内容で気になってメモしていた部分を殴り書きし、全体の所感を短く書いているだけなので、気になる本があればぜひ手にとって読んでいただければと思います。

1. 限りある時間の使い方

kanki-pub.co.jp

  • 人生は80歳まで生きるとして、4000週間しかない
    • この数字を言うと大体の人は思ったより少ないと感じ驚く
    • この限られた時間の中でどう生きていくかを考える
  • テクノロジーにより世の中は便利になっているが、それにより今までストレスに感じなかったことをストレスに感じるようになっている
    • 前は1時間かかっていたことが5分でできるように効率化されると、10分待つことにもイライラするようになってしまう、というようなこと
    • ストレスを解消するために効率化されたはずが、結局ストレスは生まれてしまっている
  • 今を犠牲にし続けると、今を生きることができなくなり未来のことしか考えられなくなる
    • 常に効率化を考えて、「もっと生産性を上げられる」「もっと多くのことをこなせる」といつか完璧な状態に辿り着けるように追い続ける
    • しかし実際は一つ効率化すれば次の課題が永遠に現れ続け、ゴールに辿り着くことはない
    • いくら1日に詰め込めるタスクの量をいくら増やして行っても、重要なことを全部やれるだけの時間が生まれることはないし、満足感を得られることもない
    • 結局未来のために良くすることを考え続け、今を感じて生きることができなくなっている
  • 人生は全て借り物の時間
    • 自分の思い描いていた通りのスケジュールで物事が進まないと、人間はイライラする
    • 自分の限られた時間が奪われているという感覚があるから
    • しかし本当は4000週間も時間があることが奇跡と捉える
    • 例え不快に感じる体験(渋滞に巻き込まれた、赤ちゃんが朝まで眠ってくれない等)だとしても、もし生きていなかったらその場にいなかったはずの自分が何かを経験しているという事実の方が重要なのではないか
    • なにかをすれば他のなにかができなくなることはあるが、そういった時間の選択や決断は「選べなかったものが奪われた」わけではなく、「目移りするほど素敵な可能性のメニューから何かを選べるチャンス」である
  • 人は後戻りできない状態に置かれた方が、選択肢がある状態より幸せになれる
    • 「もっといい選択ができたかもしれない」という可能性を残すより、「これしかない」という状況で選んだ方が後悔もなく満足度が高まる
  • 「やらなければならないこと」のほとんどはやる気になれない
  • 「こんなはずではなかった」「どうして思い通りにいかないんだ」という気持ちこそが苦しみの根源(禅の教え)
  • なぜ生産的に働くために休まないといけないのか?
    • 労働時間を短縮しようという考え方は一般的になってきたが、その方が「より仕事の生産性も上がるから」という理由も多い
    • しかし、休息の時間と体験自体に価値があり、なぜそれに「仕事のため」という理由付けが必要なのか

重要なところは人生の限られた時間の中で、みんな未来のことばかり考えすぎている。もっと今をしっかり感じて生きようということです。
「もっと良くするために改善する」「将来の備えて準備する」ということを常に考えていて今をしっかり見つめられていない人が多いのはたしかだなと思いました(それ自体を楽しんでる人はいいですが)。
エンジニアは特にそういう人種が多い気はします(いわゆる生産性ヲタクみたいな人)。

私も毎日いくつもリマインダーがセットされているリマインダー人間なので、少し見直した方がいいなと思いました。

2. 人が増えても速くならない ~変化を抱擁せよ~

gihyo.jp

  • エンジニアが行っているプログラミングの仕事は、大工ではなく設計士
    • 設計士が施主と議論をしてイメージが揃い、設計書まで落とし込んだ後の作っていく作業は、大工が一定数いた方が効率は上がる
    • しかし、プログラミングは設計士の仕事に近い
    • 大工の仕事に当たる部分をやっているのは、人間ではなくコンピューター
    • なのでエンジニアをただ増やしても作るスピードは上がらない
  • プログラミングでは、他人に対して細かく指示を出して仕事をしてもらうことはできない
    • それをやるくらいだったら自分でプログラムを書いてしまった方が速いから
  • 事業側と開発側が"協働"の関係を築く
    • 事業側の人間は、ソフトウェアの特性を知ったうえでシステムの構造や開発プロセスを理解する
    • エンジニアは、言われたものを作るだけでなく、作っているシステムがどう使われるかを理解する
  • ソフトウェア開発はレシピを作る仕事
    • 料理のレシピがあれば、レシピ通りに作る工程はたくさん人がいれば作れる
    • レシピを作る仕事だとしたら、手を動かすだけの人は必要ない
    • コンピューターにとってレシピに当たる部分がプログラム

プロジェクトの開発規模が大きくなっていくとエンジニアを増やそうという発想になりますが、ただ手を動かす人を増やしても意味がないよという話をエンジニア以外の人にも伝わりやすいように説明されています。
というよりそもそも「手を動かす」だけの仕事など存在しない(それはコンピューターがやること)という話をしています。

エンジニアは昔からある程度感じていることですが、それがわかりやすく言語化されている本だと思いました。
プロジェクトマネージャーなどをやってる方にも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

3. Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である

str.toyokeizai.net

  • 無礼な態度は人の健康にも大きな悪影響をおよぼすことが、最近の科学的研究によって明らかになってきた
    • 無礼な態度は、人の免疫システムを害することがある
    • そのせいで循環器系の病気、ガン、糖尿病、潰瘍などにかかる恐れがある
  • 職場のストレスによってアメリカ経済にかかるコストは1年に5000億ドルにものぼる
  • 誰かの無礼な態度に接すると、認知のための資源が奪われてしまうし、その結果作業の能力も創造力も下がる
  • 礼節ある言動は、必ず心から尊重する気持ちがないとうまくはいかない
    • 見返りに相手から何かを得よう、自分の属する企業の利益につなげようという気持ちが背後にあると、いくら相手を丁重に扱ったところで意味がなくなってしまう
  • 無礼さに関わる言葉(邪魔をする、妨げる、うるさがる、不愉快な顔をする、など)に触れると、自分も他人に無礼な振る舞いをしてしまうことが多くなる
    • 攻撃的な言葉を発したりしなくても、誰かが話しているのを遮る、などはありうる
    • 無礼な言葉に触れた被験者は、その後67%が他人の話を遮った、という実験がある
    • 逆に礼儀正しさに関わる言葉(丁寧な、上品な、思いやりがある、感謝する、親切な、など)に触れた被験者で、他人の話を遮ったのは16%だった
  • 無礼な態度に触れたとしても、その直後に礼儀正しい態度に触れれば上書きされ、心が悪影響から逃れることもあり得る
  • 一度、温かい人だと感じると、その人に対する評価は上がりやすくなる
    • 相手が温かいかどうかの判断を下すのに要する時間は、わずか33ミリ秒
  • 偏見は成長を妨げる
    • 悪いところがあっても、気を使って言わないのは、その人を下に見ることであり、侮辱であるばかりか、必然的に失敗へと導くことでもある
    • 自分より下だと思っている人には、はじめからあまり期待をしない。だから、正しいフィードバックもしない
  • ワンランク上の礼節を身に付けるための5つの心得
    • 与える人になる
    • 成果を共有する
    • 褒め上手な人になる
    • フィードバック上手になる
    • 意義を共有する
  • 有害な社員がひとりいると、「スーパースター」と呼べるほど特別に優秀な社員2人、あるいはそれ以上が達成した生産性向上を帳消しにしてしまうという
  • 非常に協力的で、周囲の同僚たちを助ける「スター社員」は、他の社員すべてを合わせたよりも、会社の業績に大きな影響を与える
    • しかし、こういうスター社員を正しく認識していない企業も多い
    • 自分の数字を上げ、手柄を立てることにばかり熱心で、同僚の成功に貢献しようとはしない人たちが評価されてしまっていることもある
  • 同じ状況に直面しても、その後の人生がどうなるかは結局、自分の解釈次第
  • 突き詰めれば、最も重要なのは人間関係
    • 礼節は人間関係の基礎となる
    • 他人に対する態度、ふるまいに常に敬意があれば、それは自分自身を前進させることにつながるし、キャリアにも必ず良い影響をもたらす
    • 他人と良好な関係を結ぶのに役立ち、人生を良い方向に導くことになる

「礼儀正しさ」が自分や周囲の人たち、組織などに対して与える影響について書かれています。
単純なマナー的な話ではなく、相手を不快にさせる態度や言動を取ったり、イライラしながらコミュニケーションすることは周りに悪影響を与える。
さらにそれは他人に連鎖していくし、自身と組織のパフォーマンスにも影響していくので、礼節を持ったコミュニケーションを心がけることがもたらす効果はものすごく大きいという話です。

人を攻撃しようと思っていなくても、よく考えずに話すと自分では気づかなかったり思ってもいないところで小さな無礼な発言をしてしまうことは誰しもあります。
そしてこれが積み重なって人間関係や仕事に対するストレスになっていくことは、経験としてもよく見てきました。

なのでこの本に書かれているような、「礼儀正しさ」をみんなが意識してコミュニケーションできるようになれば、平和でみんなが気持ちよく働ける組織が生まれるのではないかと思っています。

おまけ: 映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形

www.kobunsha.com

これはおまけでちょっとおもしろかった本です。
よく最近の若い人たちがタイパを意識しているというのは聞きますが、その中の一つで倍速や早送りで映画やドラマなどを観る人たちの考え方について書かれています。
実際にそういった行動をしている現役大学生へのインタビューなども交えて載っていて、とても興味深かったです。

倍速で観ること以外にも「ドラマを話数単位で飛ばして一気に最終回まで行く」「心を揺さぶられたくないので先にネタバレを見る」などなかなか自分では理解が難しいものもあり、面白かったです。
こういったことを頭ごなしに否定するだけでなく、ちゃんと若者の考え方を知って老害にならないためも読んで見るといいかもしれません。

ちなみに私も昔は「できるだけいっぱいの作品を観たい」とアニメを1.5倍速で観ていた時期がありましたが、最近はそのスピードだと頭での理解が追いつかなくなったのでやめました笑