怒ることは損
最近「人を動かす」「パワハラ防止のためのアンガーマネジメント入門」という2冊の本を読んで、「怒る」ということについて考えされられました。
「人を動かす」に関しては怒りの話だけではないんですが、簡単に言うと
- 怒っても人を納得させられないし、問題は解決しない
- 人は怒られることには不快になるし、どんなに正論を言っていても怒った人に対していい感情は持たない
- 人を説得したり指導する時には、「冷静」に叱る、諭すことが大事
みたいなことが多く書かれています。
そして自分の経験から考えても「たしかにな」と思うことが多くありました。
例えば
- 何か議論をしていて食い違った時、感情的に自分の意見をぶつけても、大体は相手も感情的になって議論が平行線を辿る(そして冷静な第三者が間に入ってまとまったり)
- 後輩、部下が上手く仕事できなかった時に怒って咎めるけど、結局恐怖心は植え付けられるけど話の本質が伝わっていなくて、同じ失敗を繰り返して成長ていない
とか。
怒って損してきたなと思うことはたくさんあるし、もっと冷静に話せてれば良かったな・・・と思うことは多くあります。
「怒られることで学ぶこともある」は錯覚
ベテランの人たちは「若い頃に怒られた経験で成長できた部分もある」と言う人もいます(僕もそう言ってました)。
が、個人的にはこれは錯覚だったかなと思ってます。
怒られた経験が良かったのではなく、怒られた時に指導された内容が良かっただけだと気付きました。
もっというと、過去に怒られて「あれは学びになった」という出来事を振り返った時、それがもし怒らず丁寧に言われていたら学べなかったのか?というと基本的にそんなことはない気がします。
もちろん怒られたことで「あ、これはヤバいことなんだ」と認識できたこともありますが、ヤバさを伝えるなら怒る以外にも方法はいくらでもあると思うので。
(まあ人によってはそれがなかなか難易度高かったりはしますが)
怒られることで学べる唯一のことと言えば、怒られた時に耐えるスキルくらいかなと思います。
たしかに自分がどう頑張っても周りに怒る人は現れるので必要なスキルですが、そのために自分が指導で怒るのはちょっと違いますよね・・・
でも言うべきことは言う
ただ勘違いしてはいけないのは、間違ったことを指導するのは当然必要だし、言うべきことは言うのは大事だということです(怒ると叱るは違う、というのも書いてあります)。
指導だけじゃなく、議論の中で意見をぶつけ合うことは重要だし、それができないのは建設的じゃありません。
問題なのは人間そういう時に、怒って精神的圧力で理解させるっていう恐怖政治に出てしまうことなんですよね。
なぜそれがダメなのか、なぜそれが大事なのか、なぜこっちの方がいいのか、とかをちゃんと理由とセットで丁寧に伝えれば、怒らなくても伝わるし理解できるはずです。
それが大変だったりするんですが、そこは努力すべきポイントかなと。
指導とかの話で言うと、どんなにしっかり伝えても理解しないし、怒られないと何も改善できないような人は、それこそ甘いし見込みがない人だと思います笑
反面教師にしているリーダーの話
ちょっと話が逸れるかもしれないですが、はるか昔一緒にやっていたプロジェクトのエンジニアリーダーの人で、今でも反面教師にしている人の話を。
まだ僕が若い頃だったこともあり、その人はよく「分からなかったらすぐ質問に来い」「15分考えて分からなかったら聞け」と言われていました(よくある話ですね)。
でも仕事のことで質問とかに行くと、「なんでこんなこと分からないんだよ」という感じのリアクションをしてくる人でした。
当時の僕にはすごく聞きに行きづらかったし、「聞いたら怒られるし面倒くさいなぁ」と思うようになりました。
でも聞かずに進めると後から「なんですぐ聞きに来ないんだよ」と怒られる。
八方塞がりで仕事はやりづらかったし、確実に仕事の妨げになってたと思います。
怒られるから聞きに行きづらいとか甘いと言われればそれまでですが、逆にそれで怒られるのとか構わず聞きに来いというのは教える側の怠慢だと思ってます。
仮に聞きに行ける人だったとしても、それで怒られることってストレスでしかないですからね。
感情に負けない人になりたい
偉そうに書いてますが、僕も割と気は短いので、感情に身を任せて語気が強くなってしまうことはよくあります。
(だからこの本の内容が刺さったのですが笑)
前述の反面教師の経験があるので、後輩とかから話しかけづらい雰囲気とかにはならないように、人に話しかけられた時の態度とかは気を使ってるつもりではいますが・・・
ちなみに昔いた会社で初めてリーダーとかやった時は、「若いからナメられるわけにはいかない」という想いと共にキレてたら上手くいきませんでした。
今でも特にMTGとかで議論になるとよく抑えられなくなってしまうことがあるので、そういうのも冷静に話せるようになれるのが理想ですね。
今回は「怒り」にフォーカスして書きましたが、冷静に伝えたり、建設的に話し合うための伝え方とかは「人を動かす」にも色々と載っていたので、興味ある方はぜひ読んでみてください。