最近ちょっと興味があり、この本を読んでみました。
デザイン脳 ―桝田省治の発想とワザ― https://t.co/CpsKEhnMsS
読んだキッカケとしては「エンジニアは技術書で勉強するけど、プランニングとかのスキルってどうやって勉強するんだろう」と思い、そういう本を検索してみたら結構紹介されていたからです。
ゲームを作る時の考え方
この本自体、ゲームを考えてから作るまでの色々な考え方が載っていてとても面白かったのですが、その中でこの桝田省治さんがゲームを考える時の流れとして、次のようなことを挙げていました。
- まず、僕が面白いと思うこと、逆に言えばユーザーを面白がらせたいゲーム向きのネタをどこかで見つける
- 次にそのネタを再現するためのルールやゲーム目的を考える。ようするにシステム部分の構築だ
- そのルールや目的が存在してもおかしくない世界設定をでっちあげる
- 最後に、ルールや目的、世界設定が説明的にならず、感覚的に理解しやすいシナリオやキャラクターを追加する
これを読んで思ったのは、モノづくりに於いてどの職種も考える順序は一緒なんだなということです。
それがタイトルに書いた外側から考えるということです。
「全体から考える」とか「後ろから考える」とも言えるかもしれません。
上記の話で言うと、ゲームのネタ(やりたいこと)という一番外側の部分から考え、 それを表すシステム→世界設定→シナリオやキャラクター と内側へ進んで行っています。
※世界設定がシステムの内側というのは分かりづらいですが、この方は世界設定を「ゲームはシステムが重要で、世界設定やシナリオはより楽しく都合よく進めるためのもの」という風に置いてるので、この形になります。
(マリオに「ピーチ姫を助ける」という世界設定がなかったとしてもアクションの楽しさは変わらないよね、みたいな話です)
他の職種での考え方
では他の職種で考えてみます。 例えばエンジニアがコードを書こうとしたら
- 機能要件を決める
- 全体の設計を考える
- 各機能のインターフェース設計を考える
- ロジックを考えてコードを書く
と、これも
要件(作りたいもの)→全体→機能→各ロジック
と外側から内側へ向かっています。
会社によっては要件定義、基本設計、詳細設計・・・みたいな分かりやすい言葉もあります。
ライターさんが文章を書こうとしたら
- テーマ、世界観を決める
- 全体の話の流れを考える
- 構成に落とす(1章、2章とか)
- 各章の内容を書く
とかになるのかなと思います。
(ここは半分憶測なので実際はもっと色々あると思いますが)
このように言い方はバラバラですが、基本的にはまずは荒い粒度で「一番外側を考える」というフェーズから始まり、徐々に内容を細分化して肉付けしていく順序となっています。
なぜこうなるかと言えば、結局のところ一番外側の部分が「作りたいもの」を表していて、そこに向かってどうつなげて行くかでモノが出来上がって行くからだと思います。
(まあ実際は内側からいきなり作り始めてしまう人も多いですが・・・エンジニアで言うと設計せずいきなり一番内側のコード書き始めてしまうような)
まとめ
今回はエンジニアやライターさんのことを例に書きましたが、イラストレーター、UIデザイナー、あるいは建築士や自動車製造みたいな全然別の業種でもおそらく割と共通する考え方なのではないかと思います。
(もちろん職種によって多少の差異はあると思いますが)
ちなみにこのブログも本を読んで「外側から考えることの大事さを伝えたい・・・!」という全体像が思い浮かんだ後、
①本の紹介
②本の面白かった部分の話
③考察、例え話
④まとめ
みたいな構成に落としてから書きました笑
小さなモノでも、何か考えて形にする時は、こういう順序を意識して考えてみるとより良いモノが作れるかもしれません。