今年の2月に行われたDevelopers Summit 2025で、以下のセッションを見に行き最近のARグラスの事情を知りました。
そこでARグラスが気になって仕方なくなり、デブサミの翌週に日本では今年発売されたばかりのXREAL Oneを購入したところ、かなり良く日々の作業が快適になりました。
そして私の身の回りでも気になっている人がかなりいることを知りました。
なのでこの記事では、XREAL Oneを使ってみた感想を、良かった点と微妙な点それぞれ紹介したいと思います。
なぜXREAL Oneを選んだのか
感想の前に、数あるARグラスの中でなぜXREAL Oneを選んだのかを書いておきます。
購入する候補として、XREAL Oneともう一つ、VITURE Proという製品がありました(この2つが二大巨頭っぽいです)。
XREALは中国、VITUREは米国の会社が作っていて、同じようなクラスの製品になります。
そして以下のサイトなどでの比較を参考に、XREAL Oneに決めました。 smgr.condb.link
VITURE Proがの方が5000円ほど高いのですが、こちらの方が優れている点が「視度調整ができる」というくらいだったので、視力のいい私は特に選ぶ理由もなくXREAL Oneにしました。
あと一応重量もVITURE Proの方が5g軽いですが、こちらも誤差の範囲かなと思って無視しました。
ちなみにXREAL Air 2 ProなどXREALの別製品もありますが、力を存分に味わうためにとりあえず一番ハイエンドのモデルにしました。
XREAL Oneを買って良かったこと
外でも大画面で作業できる
まずはこれです。このために買ったと言っても過言ではありません。
画面サイズや表示距離も調整できるので、自分の好みの位置に設定できます。
また、ワイドモードで32:9のウルトラワイドモニタとして使うこともできます。
画質などが気になるところだと思いますが、全く問題ないです。
普段コードやブログを書いたり小さい文字を見る作業をずっとしていますが、特にストレスなく読めています。モニタとして十分に使えます。
今のところ究極の携帯可能モニタの形だと思います。
ただし、あくまでデバイスの視界なので、枠に囲われてる形にはなります。
ワイドモードなど幅広く見える状態の時、左右は見切れていますし、目線だけ動かしてもその見切れている部分は見えません(首も左右に動かす必要があります)。
この辺はARやVRデバイスを使ったことがある人はイメージしている視界かなと思います。
自宅のウルトラワイドモニタから切り替えた時のストレスがなくなる
私は自宅だとMacBook Proをウルトラワイドモニタにつないでクラムシェルモードで使っているので、外にPCだけ持っていって使う時に、アスペクト比の違いから画面の配置がゴチャゴチャになるのがストレスでした。
ウルトラワイドモニタでめいっぱい横に広げたり並べたりしていたものが、PCのモニタのサイズに集約されるからです。
しかしXREAL Oneのワイドモードを使うと、近しい解像度での表示になるので大きく崩れなくなります。
自宅で使っているものよりさらに横長のアスペクト比なので完全にそのままにはなりませんが、PCのモニタに映した時のようなストレスはなくなりました。
外で人から覗き込まれるリスクがなくなった
デブサミのセッションで聞いて興味を持ったのはこのポイントでした。
メインディスプレイをXREAL Oneの方に設定してしまえば、PCのモニタには何も表示されなくなります。
グラスをかけている自分にだけ画面が表示されている状態になるので、他人が後ろから覗き込むことは不可能になります。
究極の覗き見防止になり、セキュリティ面でも安全になりますし、人に見られたくない内容が表示されていても気にする必要がなくなります。
ノートPCでも正面を向いて作業できる(姿勢が良くなる)
ノートPCで作業をしていると、モニタが下にあるためどうしても首を曲げて下の方を見る必要があり、姿勢が悪くなりがちです。
しかし、XREAL Oneをかけていれば正面の方にモニタを表示できますし、さらに言うと自分の好きな角度や位置に表示することもできます。
そのため適切な姿勢、楽な姿勢でどこでも作業できるようになります。
視界が覆われて集中できる
これは個人的な感覚ですが、グラスをかけて視界が覆われてほぼモニタの中だけが見えている状態になることで、集中力が増します。
ヘッドホンをして雑音を遮って、集中するのと似ているかもしれません。
なので私は視覚のヘッドホンのようなつもりで、最近は家でもよく使っています。
逆に集中しすぎてしまって周囲に意識が向かなくなるので、外で使う場合は(特に海外に行った時は)置き引きなどに気をつけましょう。
スマホで動画を見るのも大画面に
XREAL Oneはスマホにもつなぐことができます。
なので動画をスマホで見たい時に、大画面で再生するということも簡単にできます。
私は移動中にストリーミングサービスでサッカーを見ることがよくあるので、メインの目的ではなかったのですがこちらもとても重宝しています。
まだ微妙な点
1日中作業するのはさすがにちょっと疲れる
XREAL Oneの重量は82gで、VRゴーグルなどに比べるとかなり軽いです(Meta Quest 3は515g、Vision Proは600〜650g)。
なので使っていて頭が疲れたりということはそんなにありません。
ただ、普通のメガネ(30〜35g)よりは重いので、家でも1日中付けて作業しているとさすがにちょっと疲れるかなとは感じました。
なので物理的なモニタを排除してこれだけをモニタとして使うまでは、まだやらない方がいいかなと思います。
あと普通のメガネより少し重い分、短い時間の使用でも鼻に跡がつきやすいです。
まだ見た目が世間に溶け込めない
まだまだ一般的には利用者が少なく、見た目が世間に溶け込めていない感はあります。
会社のMTGにこれで出ると笑われます(しつこく装着して参加して慣れてもらおうと思っています)。
また、外で使っていた時には子どもが自分を見て逃げて行ったこともありました。
コワーキングスペースや屋外では使っていますが、スタバで使う勇気はまだありません。
ただ、これは新しいテクノロジーの利点を早く享受する上での代償だと思っているので、むしろ自分が色々なところで使うことで世間に浸透させていこうという気概でいます。
有線であること
今のところXREALもVITUREも有線です。
なので作業中も横にケーブルが垂れていて、少し邪魔です。
また、例えば電車の狭い空間の中でスマホにつないで動画を見たい、というような時は少し使いづらいと思います。
デバイスのバッテリーを食らう
XREAL Oneはバッテリー駆動がありません。
有線でPCやスマホのデバイスにつないで、デバイスから給電されます。
そのため、デバイス側のバッテリーの消費が早くなります。
PCはアダプタを繋ぎながら使うこともできますが、スマホはポートが一つしかないのでそれもできません。
今のところ半日くらいPCで作業していたり、外で1時間くらいスマホで動画見たりという使い方なら、減りは速いですが致命的に気になったことはありません(モバイルバッテリーを持ち歩いているのもありますが)。
電車などの移動中に画面固定モードで使うと画面が動く
画面の固定モード(デバイスを動かしても画面が追っかけて来ないようにするモード)を電車などの中で使うと、画面がドリフトします。
これは加速度センサーなどを使っている関係でそうなってしまうのだと思うのですが、以前新幹線でスマホをつないで動画を見ている時に知りました。
なので移動中などに使う時は、画面固定モードを解除して使う必要があります。
また、普通に席に座って使っている時でも、頭を動かしているとドリフトすることがあります。
以下にこの現象についてChapt GPTに聞いてみたQ&Aを貼っておくので、興味のある方はご覧ください。
アスペクト比が指定できたら嬉しい
画面のアスペクト比が家のモニタと同じであれば、どんなにサイズが変わっても家で開いてた状態を保てるので、アスペクト比がカスタマイズできたら嬉しいなとは思いました。
ワイドモードは32:9という超大型なのですが、家のモニタが21:9なのに対して豪華過ぎて少しズレが出てしまいます(それでも普通のモニタに比べれば小さいズレですが)。
32:9のモニタを持っている人はなかなか少ない気もするので、変更できたら嬉しいなと思いました。
ただ、これは完全なる個人的なwantです。
気になっている人は買った方がいい
色々書きましたが、「まだ微妙な点」に書いたことは全て許容範囲で、得られているメリットが圧倒的に大きいです。
特にコワーキングスペースなど外で作業したい人、あるいは出張など外での作業を余儀なくされる人にとっては、かなり快適にしてくれる製品です。
私は家での作業に集中できなくなってきた時に外で作業したくなるのですが、セキュリティ面を考えると場所も選びますし、家とのモニタの違いがすごくストレスでした。
それがどこにいても家と近しい環境で作業できるようになったのは革命です。
さらに最近は家でもXREAL Oneを装着して作業するようになったので、外に行ってもキーボード以外の差分がなくなりました。
「気になるけど実際どうなんだろう?」と思ってる方、絶対に今すぐ買った方がいいです。
「新しいモデルが出てから・・・」とか考えてる方、現時点で既に優れているので早くこの恩恵を享受できることの方が大きいです。
これからどんどん普及していくように、みんなで使い倒しましょう。